みなさん、こんにちは。
ボイストレーナー・話し方講師の
新田知代です。
大人になると様々な飲み会シーズンで
翌朝に声がガラガラになった経験は
誰にでもありますよね。
レッスンにお越しになる生徒さんでも
「昨日取引先と懇親会が・・・」
「大学のサークルの打ち上げで・・・」
なんて声を枯らしていらっしゃる方もいます。
せっかく歌いたくて来ているのに
ボイトレや友達とのカラオケで声がかれて
全力が歌えないなんて悲しすぎますよね。
今回はそんな方たちに向けて、
声がかれる理由とその対策をお伝えします。
これを知っているだけでも
お酒や飲みの場を楽しみながら
喉へのダメージを最小限に抑えることが十分できます。
今回はボイストレーニングの観点から、
「なぜ声はかれるのか」という仕組みの話も交えながら、
飲み会・カラオケで実践できるボイスケアを解説していきます。
ちなみにこのテーマは、
音声でもお話ししています。
文章より“声”で聞いた方がイメージしやすい方は
こちらからどうぞ。
▶︎ 音声で聞くPodcast(リンクはのちほど)
そもそも「声がかれる」のはなぜ起きるのか
声は、喉頭(こうとう)の中にある声帯という
2枚の粘膜ひだが高速で振動することで生まれます。
この声帯、健康な状態であれば表面が適度な粘液で潤っていて、
なめらかに振動する事で声が生まれていきます。
ところが乾燥・酷使・炎症などの刺激が加わると、
この粘膜がむくんだりすることで振動が不規則になったりして、
いわゆる「かれ声」になります。
声がかれる原因として代表的なのは次の3つ。
1. 声帯粘膜の乾燥
声帯は呼気にさらされ続けるため、水分が失われやすいです。
アルコールは利尿作用があるため全身の脱水を促し、
粘膜の潤いが一気に奪われる。
アルコールが刺激物、という側面もありますが、
どちらかというとむくみと脱水の影響が大きいです。
2. 声帯・咽頭の疲労
飲みの場は大人数が集まる事から、
大声を出し続けることが多いです。
普段出さないような声量を出すために
声帯を閉じるための筋肉群(内喉頭筋)を使いすぎて
筋力不足になって喉を締めるなどの補助が入り
喉が締まって声が出なくなっていく。
肺活量と音量だけで大きな声を出し続けることにより
声は枯れやすくなっていきます。
3. 声帯の締めすぎ(喉締め発声)
「相手に声が届かないかも、もっと大きな声を」と思った瞬間、
無意識に喉を締めて声を押し出そうとしてしまう。
経験のある方も多いと思いますが、
いわゆるこれが喉締め発声。
声帯に強い摩擦をかけて粘膜を傷つける最大の原因になります。
この3点を踏まえると、対策の方向性は自然と見えてきます。
声をからさないための三か条
第一条:大きな声で話し続けない
居酒屋やカラオケルームは環境騒音が大きいです。
「聞こえていないかも」という不安から、
知らず知らずのうちに自分の限界を超えた音量で
話し続けてしまうことも多いのではないでしょうか。
重要なのは、音量を上げるより
声の質と方向性で届かせるという考え方に切り替えることだ。
特に声量よりは3kHz周辺の周波数が入るような
人の耳により届きやすい声を出すことがおすすめです。
この帯域の響きが含まれる声は、
騒がしい環境でも音のすき間を抜けて相手の耳に届きやすいです。
感覚としては遠くに呼びかける声。
少し張って出す感覚にも近いかもしれない。
騒がしい場所での1対1の会話なら
少し高めの音程+この響きを乗せてゆっくり話す
静かな場所なら
低い方の声+滑舌よくゆっくりというように、
場面に合わせて音域と共鳴を使い分ける
だけで喉への負担は大きく変わります。
また、喉が痛くなってきたと感じたら、
まず深呼吸(腹式呼吸)を意識的に入れてみよう。
腹式呼吸では横隔膜が下がって肺が縦方向に広がり、
喉周辺の余計な力が抜けやすくなります。
気道が広がることで喉への圧力が分散され、
発声がずっと楽になる感覚がわかるはずです。
第二条:アルコールよりソフトドリンクを飲む
声がかれる最大の原因は水分不足だとお伝えしましたが
アルコールはその水分不足を加速させる飲み物です。
アルコールを摂取すると抗利尿ホルモンの分泌が抑制され、
腎臓からの水分排出が増える。
つまり、体から飲んだ量以上に水分が失われるため、
声帯粘膜の潤いは急速に低下するのです。
アルコール分解・喉のために水分摂取はとても大切なのです。
喉のことを考えると、
お水・紅茶・ハーブティー・柑橘系以外のフルーツジュース
がおすすめです。
紅茶に含まれるテアフラビンはポリフェノールの一種で、
殺菌・抗菌・抗ウイルス作用が期待される成分。
乾燥が気になる場合はガムシロップを少し加えると
粘膜を保護する効果が上乗せされます。
りんごジュースにはペクチンという成分が含まれており、
喉の粘膜をコーティングしてくれる。
一方、柑橘系ドリンクは酸の刺激で
痰が絡みやすくなる傾向があるため、
喉を使う日は避けた方が無難です。
(※個人の体質によります)
アルコールを飲む場合は、
1杯に対してお水を2杯以上飲むことを意識したいですね。
楽しくお酒を楽しみながら喉もケアしたいという方は
喉が痛い時はウイスキーのお湯割り(はちみつ入り)、
声をよく出したい日は梅酒のお湯割りが
比較的選びやすい選択肢になってきます。
ただしいずれも脱水の助長は避けられないため、
二日酔い対策にも水分補給との併用をぜひしてくださいね。
第三条:自分に合った声の出し方で話し続ける
声は人によって特徴が異なります。
高い声が綺麗な人、低音が魅力的な人。
歌声だけでなく、話し声にも適性があって
自分の「適正音域・適正音量」を知っておくことが、
長時間喉を持たせる最大の武器になります。
自分の休まる声はどこなのか
必要な時はどの声を使えばいいのか
その選択肢を持っておくだけでも
喉の消費の仕方が変わるのです。
これはぜひボイストレーニングにいって
自分の声の特徴を掴んでみて欲しい。
必ず役に立つ日が来る。
カラオケで喉を長持ちさせるコツ
飲み会に行った流れでカラオケ、は
よくある二次会パターンですよね。
この時のカラオケで喉がかれる最大の原因は
「常時フルパワーで歌うこと」に尽きます。
歌う時の声量は常に50%くらいを上限にして
余力を残しておくのが鉄則。
加えて、カラオケで喉を守りながら
表現力を上げるために有効なのは
裏声と歌唱テクニックの活用です。
裏声を使うのはカッコ悪い、と思われがちだけど
地声と裏声をバランスよく使うとカッコよく聞こえる、
あの矛盾不思議ですよね笑
ボイストレーニング的にお伝えすると
地声だけで歌い続けると声帯にかかる負荷は大きいですが
裏声(ファルセット)は声帯が薄く引き伸ばされた状態で
声帯が振動するため、喉への負担が優しくなります。
しっかりした裏声を持っていると歌のスタミナが倍以上になので
バランスよく声を長く使い続けられるようになります。
そして音量で強弱をつけようとするのではなく、
しゃくり・ビブラート・フォール・こぶしといった
歌唱テクニックで表現をつけると、
少ない声量でも「うまく聞こえる」歌い方ができます。
声量を節約しながら表現が豊かになる、
一石二鳥のアプローチなのでぜひチャレンジしてみて欲しい。
曲の選び方も重要で、速いテンポよりゆっくりのバラード、
好きな曲より自分の音域に合った曲を選ぶだけで
喉の消耗は大きく変わるので試してみてくださいね。
懐に忍ばせたいボイスケアアイテム
飲み会・カラオケには、以下を持っていくと実際に役立つ。
のど飴:
お好きなものでOK。
とにかく口の中の潤いを保つのにもってこいです。
龍角散ダイレクト:
個包装で水なしで飲めるため、カラオケ中でも手軽に使えます。
即効性が高いのが私のお気に入り部分です。
ミンティア・フリスク:
糖類が粘膜を一時的に保護してくれます。
ミント感のあるものを選ぶと喉の不快感もすっきりします。
私のポーチの中にも上記3点が揃っています。
お酒の影響で声がかれてしまった時の対処法
まずは声を出さず休めることが大切ですが、
それ以外でできることをお伝えします。
その場でできる応急処置
①水分をしっかり取る。
アルコールを飲んでいる場合は飲んだ量の2倍以上の水を飲む。
②声を意識的に休める。
トイレに立つなど、一時的に話さない時間を作るだけで
喉の疲弊が回復しやすくなる。
声の変化は体調の変化と同様です。
ボイストレーナーとしてはお酒はほどほどにと
お伝えしたいですが、そう言えない場面もあります。
そんな時は「次の日予定があるので」と
サっと帰って喉ケアしちゃいましょう。
場を盛り上げるのも大切ですが、
あなたの体の方が大切です。
帰宅後のケア
無事に帰宅後できたらまずやってほしいことは3つです。
水分補給+はちみつ:
喉は粘膜でできています。
水分をしっかり取ってから、はちみつをスプーン1杯分舐める。
はちみつには抗菌作用と保湿効果があり、
荒れた粘膜の回復をサポートしてくれます。
落ち着きが欲しいならハーブティーもありです。
お好きなものでOKですが、成分を気にしたい時は
タイム・マロウブルー・マーシュマロウ・マレインが
入ったものが喉への回復効果が高くておすすめです。
咳払いをしない:
声がかれると咳ばらいをしたくなりますが、
咳き込んだり咳払いをするのは声帯に強い衝撃を与えます。
声かれが悪化しやすいため、
喉の不快感があっても極力我慢して静かに過ごしましょう。
しっかり睡眠を取る:
喉の疲れは体の疲れと直結しています。
水分補給をした上で充分な睡眠を取れれば、
翌朝には声が回復しているケースがほとんどです。
最低6時間~8時間、しっかり眠りましょう!
まとめ
声をからさないための本質は
「声帯粘膜の乾燥を防ぐ」
「声帯への摩擦負荷を減らす」
この2点に集約されます。
とはいえ、日常的に難しい時もあるので
今回お伝えした何かが実践できれば
喉のケアができているのでやってみて欲しいです。
翌朝の喉のダメージが全然違うはずです。
声や喉は使い方を知れば知るほど、
日常の楽しさが広がる術になります。
ボイストレーニングが
「歌がうまくなるため」だけのものではなく、
声を守り・使いこなすための技術でもあることを、
ぜひ日々の生活の中で実感してもらえたらうれしいです。
どうしたらいいか分からない、そんな時は
やってみたけど、できているかどうか分からない。
自分の声はどれが正解なのか分からない。
YouTubeやTikTokで情報を探しても、
自分の声を直接みてくれるわけではない。
ボイトレ情報を探して、
見つけて、やってみて、 よく分からなくて。
「ボイトレって意味があるの?」と思ったら、
プロのボイストレーナーのレッスンを受けてください。
あなたの声で何が起きているのか、
原因をひも解いて改善の道筋をお伝えします。
自分一人では何ヶ月もかかっていたことが
レッスン一回で腑に落ちることも 全然珍しくありません。
NEWNESS MUSICでは、
クラシックとポップス双方の発声理論をベースに、
解剖学・科学的視点も交えながら
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現役VTuberや音楽事務所所属タレント、
プロの声のメンテナンスも担当している私と 一緒に、
「話し声と歌声を自在に使い分ける喉」を、
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