みなさん、こんにちは。
ボイストレーナー・話し方講師の新田知代です。
「あの人みたいな声になりたい」
そう思ったことはありませんか。
人の声を聴いて、自分の声と比べて、
なんとなく落ち込んでしまう。
ボイトレを続けている人でも、
そんな経験は一度や二度
あるのではないかと思います。
でも、ちょっと待ってください。
あなたが「良くない」と思っているその声、
本当にそうでしょうか?
今回は声タイプ診断を通して、
自分の声が持っている特徴や印象を客観的に把握し、
その「得意」を生かして話すためのヒントをお届けします。
発声の仕組みにも触れながら
少し踏み込んだ内容でお届けしていきますので
ぜひ最後までお楽しみくださいね。
ちなみにこのテーマは、
音声でもお話ししています。
文章より“声”で聞いた方がイメージしやすい方は
こちらからどうぞ。
▶︎ 音声で聞くPodcast(リンクは後ほど)
そもそも、なぜ声に「個性」が生まれるのか
声タイプ診断に入る前に、
まず「なぜ声はひとりひとり違うのか」を
身体の仕組みから整理しておきましょう。
声が生まれるプロセスは
シンプルに言えば3つの段階に分けられます。
① 呼気(息) ── 肺から押し出された空気が声帯へ向かう
② 声帯振動(音源) ── 閉じた声帯に息が当たることで振動し、声帯原音が生まれる
③ 共鳴 ── その原音が咽頭・口腔・鼻腔といった共鳴腔で響き、言葉になる
この3ステップのどこに個人差が宿るかというと、
答えはすべてです。
声帯の大きさや厚さ、
声帯を伸縮させる筋肉
(主に甲状披裂筋と輪状甲状筋)の発達具合、
共鳴腔の形状——
これらはすべて人それぞれ異なります。
楽器に例えるなら、
弦の長さ・厚さ・ボディの形が一台一台違うようなもの。
特に声の高さ(音高) は
声帯の振動数と密接に関わっています。
声帯をピンと細く伸ばすと振動が速くなり(高音)、
弛ませると振動が遅くなり(低音)ます。
声帯が長く厚い人は低音域が豊かになりやすく、
短く薄い人は高音が出やすいという傾向があります。
つまり、声の高さはあなたの喉が持つ楽器の特性そのもの。
「低いから悪い」「高いから弱い」ではなく、
それが唯一無二のあなたの楽器なのです。
声タイプ診断のやり方
さっそく診断に入りましょう。
チェックするのはたった2項目です。
① 自分の声が「高め」か「低め」かをチェック
目安は話し声の基本ピッチ(基本周波数) です。
一般的に成人男性の話し声は100〜150Hz前後、
成人女性は200〜250Hz前後と言われますが、
ここでは厳密な数値より「周りから見てどう感じられるか」を
基準にしましょう。
- 「声が通る」「明るい声」と言われることが多い → 高め
- 「落ち着いた声」「重厚感がある」と言われることが多い → 低め
音程的に低い高いやこもり・クリアさ、倍音の関係もありますが
一旦。一旦全部取っ払って印象だけで決めてOKです。
ざっくりのタイプわけです。
② 話すスピードが「早め」か「ゆっくり」かをチェック
話す速さは、
声帯の動きや呼気のコントロール力とも関係しています。
呼気のコントロールが強い人はテンポよく話せる一方、
言葉を選びながら丁寧に息を乗せて話す人は
ゆったりとしたリズムになる傾向があります。
- テンポよく、言葉がポンポン出てくる → 早め
- じっくり考えてから、言葉を選んで話す → ゆっくり
この2つの掛け合わせで、4つの声タイプが見えてきます。
4タイプ徹底解説
① 声が高い × 話すのが早い ── 「明るい・元気タイプ」
ハキハキとした高い声でテンポよく話すこのタイプは、
聞く人に若々しく、エネルギッシュな印象を与えます。
アイドルや接客のプロに多い声質で、
場を一瞬で明るくする力を持っています。
解剖学的に見ると、
このタイプは輪状甲状筋の緊張が高まりやすく、
声帯が伸張された状態を素早く作れる傾向があります。
声優さんでいうと
超かぐや姫のかぐや役を演じている時の夏吉ゆうこさん。
息の流量も多いため、言葉に勢いが乗ります。
得意な場面:
接客、プレゼン、初対面の場、場を温めるファシリテーション
伸ばすなら:
強さや速さを活かしつつ、
「間(ま)」の使い方を意識するとより説得力が増します。
② 声が高い × 話すのがゆっくり ── 「癒し・おおらかタイプ」
高めの声をゆったりと丁寧に使うこのタイプは、
天性の優しさと包容力が声ににじみ出ます。
一見ふわっとした印象に見られることもありますが、
相手のペースに合わせて場を和ませる力は抜群です。
声帯の振動数は高めでも、
呼気のコントロールが繊細であることが特徴です。
急いで声を出さず、
息をしっかりと支えた状態で共鳴を使うため、
声に温かみとまろやかさが生まれます。
声優さんでいうと
超かぐや姫の月見ヤチヨ役を演じている時の早見沙織さん。
得意な場面:
カウンセリング、教育、子ども・高齢者との関わり、ケアの仕事
伸ばすなら:
地声の筋力を足すことで透明感のある柔らかい声に
磨きがかかります。
声帯の閉鎖をほどよく保つことで息漏れを減らすと、
芯のある優しさになります。
③ 声が低い × 話すのが早い ── 「冷静・ビジネスマンタイプ」
低い声でテンポよく話すこのタイプは、
知性と信頼感を瞬時に伝える力を持っています。
抑揚が少なく見えることで「クール」「冷たい」と
思われることもありますが、
それは合理性と誠実さの裏返しです。
声帯が長く厚いために自然と低音域が出やすい一方、
甲状披裂筋のコントロールが強いタイプが多く、
発声に力強さがあります。
声優さんでいうと
超かぐや姫の酒寄彩葉役を演じている時の永瀬アンナさん。
(声帯はミックスバランスで使っていますが低めですね)
息の量よりも声帯の閉鎖力で音を作る傾向があります。
得意な場面:
交渉、報告・連絡・相談、リーダーシップが求められる場面
伸ばすなら:
低音の芯の強さはそのままに、
話す内容のキーワードだけを意図的に音を上げる
「ピッチアクセント」の技術を取り入れると、
表現に豊かさが加わります。
④ 声が低い × 話すのがゆっくり ── 「落ち着き・父性タイプ」
4タイプの中で最も
「重厚感」「安定感」を与えるのがこのタイプ。
低音でゆっくり、的確な言葉を選んで話すため、
聞く人に深い信頼と包容力を感じさせます。
声帯が厚く振動数が低い上に、
横隔膜を含む呼吸筋群がしっかり使われていることが多い。
腹式呼吸(横隔膜呼吸)が自然に機能しているため、
声に「腹から出た感」があり、
ぶれない安定感につながっています。
声優さんでいうと
超かぐや姫の駒沢雷役を演じている時の内田雄馬さん。
得意な場面:
スピーチ、コーチング、経営・指導者的な立場、ナレーション
伸ばすなら:
共鳴腔(特に咽頭腔)をしっかり広げることで、
声のボリューム感と温かみがさらにアップします。
言葉の末尾の音量を保つだけで、説得力が格段に増します。
「自分の声の印象」は自分では気づきにくい
ここまで読んで、
「自分はどのタイプだろう?」と
考えてみた方も多いと思います。
実は、自分が認識している自分の声と、
他者が受け取る印象には大きなズレがあることが多いのです。
なぜかというと、私たちが普段聞いている「自分の声」は、
耳の骨伝導を通した音も含んでいるから。
録音した自分の声に違和感を覚えるのはそのためです。
だからこそ、
一度スマートフォンで自分の話し声を録音して聴いてみること、
そして信頼できる人に「私の声ってどんな印象?」と
聞いてみると声タイプ把握への近道になります。
でね。
この記事を読んで、自分の声の判断をしたら
次の項目で一つお願いがあります。
「いい声」より「自分の声の強み」を活かす。そして自分の声は何者にでもなれる。
約束して欲しいこと。
それは、その自分の持っている声は自分の唯一無二で
声は発声(使い方)を変えれば
実は何物にもなれる可能性があるから
決して否定しないということ。
自分の声を特定の枠にはめて
「このタイプだからこの声は出せない」は、ないです。
そんなことを言ったら、声優さんが一人で
たくさんの色んな声を出せるのは
喉の構造が違うという話になる。
そんなことないです。
彼らも人間で、たくさん色んな声を出す練習をしたから
様々な声が出せます。
そしてそれは私も同じ。
声楽出身ですが、ビブラートのかからない歌声も
アイドルみたいな歌声も
がなりもたくさんの声を出すことができます。
才能があったわけではなく
毎日毎日いろんな声の出し方にチャレンジして
練習してきたからできるだけです。
そして、あなたの持つその声は
誰にも負けない唯一無二の声であること間違いない。
あなたの声にしか出せない価値があるんです。
高くて早い声は誰よりも場を明るくできる。
低くてゆっくりな声は誰よりも安心感を与えられる。
声を「良し悪し」のひとつの軸で測るのではなく、
「どんな武器を持っているか」という視点で
自分の声を見直してほしいのです。
声帯の構造や共鳴腔の形は、
訓練で変えられる部分と変えられない部分があります。
変えられない部分を嘆くより、
その特性を最大限に引き出す技術を磨く。
それこそが中級者以上のボイトレの本質です。
あなたの声は、あなたにしか鳴らせない楽器です。
まずはその楽器の特性を、
正確に知るところから始めてみましょう。
自分の声タイプは分かった。じゃあ、次は?
この記事を読んで、
「なんとなく自分のタイプは分かった気がする」
という方も多いのではないでしょうか。
でも、こういう声もよく聞きます。
「自分のタイプは分かったけど、
どう活かせばいいかが分からない」
「録音して聴いてみたけど、
これが高いのか低いのかも判断できない」
「そもそも、自分の声の何が問題で
何を伸ばせばいいのかが見えない」
文章や動画で情報を得ることはできても、
あなたの声を実際に聴いて
「今どの状態にあるか」を見てくれるわけではない。
自分でやってみてもそれが正解か
分からないんですよね。
声のことを調べれば調べるほど
「結局どうすればいいの?」となったなら、
プロのボイストレーナーのレッスンを受けてください。
あなたの声が今どこにいて、
何に向いているのかプロに診断してもらうのが早いです。
NEWNESS MUSICでは、
クラシックとポップス双方の発声理論をベースに、
解剖学・科学的視点も交えながら
あなたの声の現在地を正直にお伝えします。
現役VTuberや音楽事務所所属タレント、
プロの声のメンテナンスも担当している私と一緒に、
あなたの声の「得意」を武器にしていきましょう。
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