歌手を目指す人必見!歌手になるためには作詞ができたほうがいい?

歌や音楽の知識

こんにちわ、ボイストレーナーの新田です。
このブログでは歌手やミュージシャンを目指している方へボイストレーニングや音楽知識、音楽雑学、私自身の活動報告などをお伝えしていています。

今回お伝えするのはこちら。

歌手になるためには作詞ができたほうがいいのか?
また、作詞ができるとどんな利点があるのか

についてお伝えしていきます。

なぜ作詞について書こうかと思ったかというと、「歌手なら歌詞を書けなきゃいけない、書けて当たり前だから歌詞が書けない私は歌手になれない」と思ってしまっている方がいるから。
これは世の中に流行している曲にシンガーソングライターや歌手本人が書いたりバンドのボーカルが書いている作品が多い為、そのような認識になっているようですが、正直なところ、歌詞を書けなくても歌手になることは可能です。(理由は後述します)
だから大丈夫、安心して歌手を目指そう!

ただし、書けたほうが歌手活動をする上で得をする事が多いのも事実。
もし作詞をしたことがないのであればやってみると意外なメリットもあるものです。

今回は作詞ができるとどんな得があるのか、なぜ作詞ができたほうがいいのかという理由をボイストレーナーそして歌手でもある私の目線からお伝えしてまいります。
この記事を通して、歌詞を書いたことがない、書き方が分からない、なぜ出来たほうがいいのか知って頂けたら嬉しい限りです。

「分かっているけど作詞は苦手」という方向けに、後半では誰でも簡単にできる作詞練習方法についてもお伝えしていますので、気になる方はそちらもご覧ください。

作詞はできたほうがいい、でも出来ない人はどうしたらいい?

結論としてすでに分かっている方もいらっしゃると思いますが、作詞はできたほうがよいです。
ただし、得意な方と苦手な方がいるのも分かっているので「必ず出来なければ歌手になれない」ということはありません。

歌手が歌う曲は他の作詞・作曲家から提供されたり、場合によっては彼らに発注をして曲を書いてもらうことも可能です。
実際、作詞・作曲ができない歌手が歌っている曲は作詞・作曲家に依頼して作ってもらっています。
(作詞ができる歌手は作曲だけ人にお願いしていたり、アレンジだけ頼むなんて事もしています)
要は楽曲製作チームを作って作詞してもらえばいいのです。

ただし、作詞ができると人に頼む必要がないので、歌で自分の思いを自分の言葉で伝えことができるようになりますし、作詞を依頼をした時に「あれ?ちょっとイメージと違うな」という時のリテイクがしやすくなる利点もあります。
「人にお願いしておいてリテイクするのはちょっと・・・」と感じる方もいるかも知れませんが、後述する自分のアーティストの世界観を表現する時に、人に頼んだからと言って妥協するのはNGです。
人にお願いするからこそ、自分の力だけでは作れない最高の作品を作ることができてファンへ想いを届けられるのです。
妥協せずいいものを作っていきましょう!

次の項目からはボーカリストとして、ミュージシャンとしての面から作詞が出来たほうがいい理由についてお伝えしていきます。

理由その1.歌の表現力に関わってくる

みなさん、歌う際に歌詞をしっかり読み込んでいますか?
歌手のお仕事はただ声を出して歌を歌うだけではありません。

自分の好き勝手に歌うのは三流の歌手。

歌詞や音楽を声という楽器を使って表現し、聴衆に伝える。
人の心に響く歌は、歌詞の世界観を自分自身の声で表現できている歌です。

つまり歌詞の解像度が高ければ高いほど「表現力があって歌がうまい歌手」と思われます。
その為には歌詞への深い理解や解釈、自分なりの表現に対する考えが必要になるのですが、作詞ができると理解や解釈が早いんですよね。
自分で書いているから「なぜこの言葉を選んだのか」「なぜ今この感情が必要なのか」「この曲は何を伝えたい歌詞なのか」すでに自分が分かっている。

もちろん歌詞を書くのが苦手な方は人に書いて頂く時に「どんな想いを込めたいのか」「何を伝えたいのか」をしっかりと作詞家の方と打ち合わせをしているはずです。
その想いが歌詞に反映されているなら、更にその歌詞の内容を咀嚼し噛みしめ、自分の言葉として歌えるように理解を深める事で歌詞の世界観を確固たるものにすることは可能です。

後は自分の歌声と持てるテクニックでその世界観を表現するだけ。

歌詞の読み込み度と表現したい想いによって歌の表現力は変わってきます。
作詞ができると作品の読み込みが早くなるので得をするんですよね。

理由その2.自分自身の世界観を伝える事ができる

人は世界観のあるアーティストに惹かれます。
歌声も、歌詞も、その人の色が強くなればなるほど根強いファンが生まれる。
もしあなたが一人の歌手として人から認められたいのであれば、あなたの世界観は必須です。
その世界観は個性であり「あなたにしか歌えない歌」になっていくから「この歌手のここが好き」とファンは増えています。

作詞はあなたの世界観を言葉で徴収へ伝えてくれる手段の一つです。

使わない手はない!

ただ、もちろん作詞が苦手な方もいらっしゃいます。
そんな時は歌手の人の歌が収められたアルバムを見てみましょう。
作詞家の名前を見ていると同じお名前の方が何曲か担当している事がありますが、それは「楽曲製作チーム」の一員です。

歌詞は色々な方に書いてもらってしまうと世界観がバラつきます。
世界観のまとまりを出したり、歌手本人の世界観にあった人とタッグを組んで製作する事でイメージを崩さず作品を作る事ができるんですね。
だからプロの歌手であればあるほど世界観が崩れないようにチームを組んで楽曲制作を行うのです。
(作曲やアレンジも同様。アーティストのプロデューサーが方向性を決めて製作陣を組みます)

歌手であるあなたが世界観を表現する軸の中心にいるのです。
世界観がしっかりしていなければ歌手としてブレます。
作詞を通してブレない自分の軸を作り上げましょう!

理由その3.音楽の収入に影響してくる

以前、歌手にはどんな収入があるのかとお伝えした記事があります。

「歌だけ」でプロを目指すのは危険!歌手の収入事情と他に増やすべき仕事
プロの歌手とは、「歌の仕事だけでお金を稼いでいる」人のこと。あなたは「歌手の仕事」が具体的にどんなものでどのくらいのお金を稼いでいるのかご存じだろうか。 「音楽で食べていきたいのに、稼げるお金の事なんか考えたくないよ!夢なんだから!」と言う...

結論として、「歌うだけ」の収入はみなさんが考えている以上に少ないです。
また、歌唱依頼があれば収入を得る事ができますが、2020年のコロナ禍のように演奏する場がなくなったら収入は0になってしまうんですよね。

そんな時に作詞ができればアーティストに楽曲提供できますし、JASRAC等に登録されれば曲が使われる度に印税が自分の手元に入ってくることになるので安定した収入を得る事ができます。

音楽の仕事は水商売と一緒で一定の収入の保証なんてありません。
そもそも歌手は会社員ではなく事務所に所属していたとしても個人事業主です。
この「安定した収入」の柱が多ければ多いほどストックビジネスとしてあなたの生活を支えてくれるのです。


※余談ですが音楽事務所に入り、ビッグアーティストになって莫大な利益をあげられるようになると会社員同様月に決まったお給料になる事もあります。
ただし、ずっと利益を上げ続けられるビッグアーティストはほんの少数で、売り上げが下がると歩合制に戻ります(お笑い芸人さんの一発当たったエピソードによくある話で歌手も一緒です)
「安定」とは程遠い世界なので安定できる収入源の確保はとても大事です。

作詞は苦手、そんな人への練習方法

ここまで作詞ができた方がいい理由をお伝えしてきましたが、「苦手だ」「やり方が分からない」という方もいらっしゃると思います。
ここでは作詞が苦手な方に作詞の練習方法をお伝えしたいと思います。

よく本屋さんに売っている「人の心に響く作詞方法」等とは異なり、スタンダードな書き方ですので、上級テクニックを知りたい方はまた別途記事に書きますのでお待ちくださいね。
ではさっそく基礎編をやっていきましょう!

①歌詞を書くコンセプトを決める

ざっくりと「恋愛の歌」「応援ソング」「悲しみの歌」などジャンルを決めましょう。
細かく決められれば決められるほど歌詞は書きやすいです。

例えば「高校2年生の夏休み、初めてできた彼氏との初デートでドキドキ、嬉しい気持ちがいっぱい!彼の事をもっと知りたい!、という恋愛の歌」のように具体的だと書きやすいしょう。

題材が思いつかない場合は練習用に好きな漫画やアニメ、映画やドラマをコンセプトにしてもOKです。

②コンセプトに合った言葉や歌詞をノートいっぱいに書き出す

好きな漫画やドラマなどを題材にした方はその漫画やドラマの世界観や出来事、キーワードを書き出してみましょう。
自分の体験をコンセプトのした方はその体験の出来事やキーワード、感情の言葉を書き出しましょう。

<①であげた初デートのコンセプトの場合 ※女性視点>

・夏休み ・青空 ・セミの声 ・彼氏かっこいい ・今日の服装は気合いれたつもり ・髪の毛サラサラにして巻いた ・アイメイク好みにあってるかな ・自分の服装が彼に気に入ってもらえるか心配  ・待ち合わせ場所に早めに行ったらもう彼が待っていた ・早めに来てくれているのうれしい、大事にされてる感ある ・デート中の彼のはにかむ笑顔にドキっとした ・なんでこんなに好きなんだろう ・高いヒールを履いてきたから彼の顔と距離が近くてドキドキする ・街中ではぐれないようにしっかり手を繋いだ ・暑くて途中で入ったカフェで食べたソフトクリームがとてもおいしかった ・一人で食べるより彼と食べると何倍も美味しく感じた ・彼が好きな気持ちが溢れそう ・ずっと一緒にいたい ・今日だけじゃなくて明日も明後日もずっと一緒にいたい ・いろんな場所に彼といきたい ・今しか感じる事ができないこの気持ちを心にずっと刻んでおきたい ・この時間が永遠に続いて欲しい ・でも帰らなきゃいけない、さみしい ・彼から「もっと一緒にいたい」って言って欲しい ・言ってくれたら私は家に帰らないで一緒にいれるのに ・言ってくれないなんて寂しい ・でも言ってくれないからこそ大切にされている感じがする ・大好き

こんな感じで!

分からなくなったら自分と似たようなコンセプトの曲を聞いて歌詞を引用してみるのも手です。
(あくまで参考にする程度、パクリはNGです)

たくさん書き出しておくと次の工程が楽になりますので頑張りましょう!

③言葉が出たら1コーラス分の歌詞に組み立ててみる

出てきた言葉を並べて一つの物語のように起承転結を作ります。
そしてメロディラインに

Aメロ(ヴァース)→起・承
Bメロ(ブリッジ)→転
サビ(コーラス)→結論

と言葉を入れていきましょう。

Aメロ(ヴァース)
ねぇ こんなに気合入れたら引かれないかな?
完璧なはずなのに不安そうな顔
こんな顔じゃ嫌われちゃうかも
への字な口を笑顔キープで走り出した

Bメロ(ブリッジ)
待ち合わせは南口改札
早めに来たのにあなたはいた
目があった瞬間 一番の緊張
震える「お待たせ」の声にあなたは嬉しそうに笑った

サビ(コーラス)
青空の下 君と歩く街は
人生で一番眩しくてドキドキするよ
近付いた距離がもどかしい
もっと触れてみたいの あなたの心の奥まで

語感が悪くて音にハマらない感じがする時は表現する言葉を変えたり、言い回しを変えるなどして作っていきます。
ざっくりストーリーを作って言葉を当てはめていくようにするとハメやすくなっていきます。
わからなくなったり行き詰まったら似たような楽曲をたくさん聴いて言葉の使い方や表現について勉強して取り入れてみましょう。

1番を完成させたら2番を作ったり、オチサビ等作って1曲の詞を作り上げていきます。

④詞を完成させる

③で挫折して書きかけの詞を山ほど作ってしまう事もあるでしょう。
作詞で1番大切な作業は「完成させる」です。

どんな下手な言い回しで語彙力がない!センスがない!と感じても必ず完成させましょう。
完成した作品が多くなればなるほどあなたの作詞レベルはあがります。

また、行き詰って一日では完成させることが難しい場合もあります。
その際は日にちをあけて詞を見直してみたり、気分転換などして書き上げていきましょう。
(尚、③で書いた詞は私のオリジナルですが書き上げるのに3日ほどかかっています)

最後に

歌手になる為に作詞ができたほうがいいか、についての答えは「Yes」なのですが、もちろん苦手な方もいます。

そんな方はチームを作って自分の想いを言語化してくれる人に頼りましょう。
世の中には作詞を専業にしている方もいますので音楽業界だけでなく、多くの人と知り合って自分とフィーリングが合う人と一緒に楽曲制作をする事をオススメします。
現に私も歌詞を書くのは得意ではないため楽曲製作の際はチームを組んでやっています。

書くことが苦手ではない方は自分で詞を書いてしっかりとアーティストとしての自分の世界観を出していきましょう!

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