声量を出す事を怖がらない

声量が小さい、という事を気にした事はあるだろうか。
私はある。
話し声も、歌声も一定の声量は必要なのだ。
そして身長や体重に関わらず声量を出す事は可能だ。

そのことについて今回は話していこうと思う。

1.声量のとらえ方

今の時代マイクもあるし、歌で声量ってあんまり関係ないですよね？という質問をたまに頂く。
答えはノーだ。

そもそも、声量は歌において表現力に一番響いてくる。

声の強弱、幅が小さい（声量が小さい）のであればその程度の表現力。
声の強弱、幅が大きい（声量が大きい）のであればできる事は広がる。

メロディは音の起伏だ。美しく歌うには抑揚が必要になる。
声量の幅が小さければ抑揚は小さくなり、聴いている人へ伝わりにくくなる。
声量の幅が大きければ抑揚が大きくなり、聴いている人へ伝わりやすくなる。

そして地声で高音を出したいという人がいるが、出す為には大きな声で高音を張り上げて出す必要がある。

体に負担をかけないで出すとか嘘だ。
響かせたら出るなんて嘘だ。
普段の話し声で出さない高さの声を出そうとしている時点で体に負荷かけなきゃ出ない。
負荷のかけ方が悪いから喉を酷使して枯れたり出なくなるだけで最初は無理しなきゃ出ない。

表現力にも、出したい声の高さにも「声量」が必要だ。

歌の上達を目指すなら声量は常に意識すべきものなのだ。

2.声量の大きさは身長や体重、体形で変わるのか？

答えはノーだ。
情報源は私自身。私の声は一般的に大きい。

私の身長は152cm。
これを大きいと感じるか小さいと感じるか人によるが一般的には小さい方である。
体重は内緒にしておくがいわゆるモデル体型である。

よく細くて小さいね、華奢ねと言われるが、腹筋周りはめちゃくちゃ固い。インナーマッスルを鍛えているので割れているわけではないが、歌っている時はドン引きされるくらい固い。

つまり、身長が小さかろうが体重が少なかろうが華奢だろうが筋肉があれば声量はいくらでも出せる。

ただし、細い方にはデメリットもある。女性も男性も変わらない。

それは脂肪が少ないという事は筋肉になってくれるお肉が少ないということだ。
筋肉が発達しなければ細い体で大きな声量は出しづらいという事。

声量は体全体を楽器として響かせる事が出来ると、どんな体型の人でも大きな声が出るようになる。
響かせる為には体を支える筋力が必要だ。特に体幹を鍛えないといけない。

女性に限らず、男性で身長が高くても、細くて腹筋周りの筋肉が少ない人の声量が小さいのはそういうことだ。

勿論体の大きさや素質は声の質感やスタミナに直結するので絶対に影響しないと言い切れない。そこは元から持つ素質的な意味で優劣がつくのは仕方ない。
ただ努力次第で覆せる部分でもある。
諦めないで欲しい。

3.声量を出す事を怖がらない

その人の育ってきた環境や考え方、性格が一番出やすいのが声量だったりする。
それは話す声の大きさも歌声も直結する。

普段から大きな声で話す人は外交的な性格をしているので歌の声量も大きくなりやすい。
逆に普段から小さな声で話す人は内向的な性格の方が多く、歌の声量も小さくなりやすい。

声量はその人の性格によって変わる。

正しい声の出し方や大きく出す方法はこの世にたくさん溢れている。
しかし、それでも声を大きく出すことができない方が一定数いて、それはもう性格の問題としか言えないのだ。

「声量を大きくしたい」と思うなら、内向的な自分を外交的にできるか
声の為に自分の性格改善することができるか
自分が変わることが怖くて、どうしても足踏みをしてしまうか

人間は変化を恐れる動物である。
現状維持バイアスが働いている限り「声量を大きくしたいけど自分の性格を変えるのは怖い」「自分を否定されているようで嫌だ」等の理由で一生変わることはできない。

別に悪いわけではない。
その慎重さが自分にとって何かの致命傷を避ける助けになる事もあるし、何かあった時に責任を取るのは自分自身になるのだからリスクヘッジとして悪くない選択でもある。

多少のリスクを取ってなりたい自分になるか
リスクヘッジのためになりたい自分はなりたい自分のまま変わらないでいるか

どちらに転ぶべきか、それは本人次第。

最後に

少々批判的な内容になっているが、声量というのは歌と切っても切れないものであればあるほどいい。
大は小を兼ねる、大きいものは小さくできるが小さいもを大きくするのは大変なのだ。

本気で歌と向き合いたい、そんな気持ちを持っているけれど声量がない。
そんな方はしっかり自分と向き合って「どうなりたい？」と自分と相談しよう。
本気でやりたいならプロの元でしっかり声に関するトレーニングを受けて変わろう！

私はそんなあなたを応援している。

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