みなさん、こんにちわ。
ボイストレーナーの新田知代です。
「カラオケで前は出ていた声が今日は出ないんです」
「無理やり出そうとすると
声が枯れてしまうことがあって……」
レッスンではこんな相談が出ることがあります。
この間は気持ちよく歌えた曲なのに
今日は同じように歌えない。
「あれ? どうして?」と
戸惑うこともありますよね。
今日はこの相談をきっかけに
その日の声との付き合い方についてお話しします。

出ない声を無理に出そうとしていませんか?
前に歌えた曲だと
「今日も出るはず!」と思ってしまうもの。
高い音が出にくいと力を入れたり
声量や勢いをつけたりして
何とか届かせようとすることもあるかもしれません。
でも、そこでいったん止まってほしいんです。
こうした相談から感じるのは
声の調子が違うことへの戸惑いに加えて
「そんな日にどうしたらいいのか分からない」
という困りごとです。
声を出す練習と一緒にその日の状態を見ながら
判断するための引き出しも
自分の中に増やしていけたら。
練習内容を変える、量を減らす、休むなど
今の自分に合う選択がしやすくなりますよね。

声は毎日同じ調子とは限らない
睡眠時間や体調が毎日まったく同じではないように
声の出しやすさにも違いを感じることがあります。
「今日は楽に声が出るな」
「いつもより力が入りやすいかも」
「今日は高い音を出しにくいな」
まずは、そんな違いに目を向けてみましょう。
楽に歌えた日を思い出すと
今日との違いに気づきやすいかもしれません。
案外声の調子が悪い時に
「下手になった」「練習が足りない」
と考えてしまうことがあるかもしれません。
でもその前に。
うまくいった日の声を再現しようと頑張る前に
今日の状態を確かめてみてください。
何か違うことがないかな?
と感じてみましょう。
喉が締まる感じは早いとか
声量をしっかり出さないと声が出ないとか
低音でなんだか掠れる
「うまく説明できないけれど、いつもと違う」
最初はそんな気づきからでOKです。
一つ注意があるとすれば
声枯れや痛みまでいつもの調子の違いとして
片づけないことも大切です。
声が枯れているときや疲れているときは
歌うことや話すことを控えるよう
米国の公的機関NIDCDも案内しています。
参考:NIDCD「Taking Care of Your Voice」

ボイトレを「自分の声の辞書」にしよう
私がレッスンで増やしていってほしいのは
困ったときに取り出せる、「自分の声の辞書」です。
辞書を引いて言葉を調べるように
「今日はどう感じる?」
「レッスンで確認したことの中で
今の自分に合うものはあるかな?」
と、振り返れるようにしていくイメージです。
そのためには
うまく歌えたときの感覚も覚えておきたい。
例えばレッスンの後に
こんなことを短くメモしてみてください。
- 歌う前の体調や、声の出しやすさ
- 取り組んだ練習と、講師から伝えられたこと
- 練習中や練習後に感じた変化、負担の有無
「この練習をすれば必ず声が戻る」
という正解集にする必要はありません。
自分の感覚を言葉にして講師と共有することが
練習内容や量を見直す手がかりになります。
喉に力が入りやすい日も
自己判断で練習を増やすのではなく
相談しながら進めていきましょう。

「休む」も、声の辞書に入れておく
声の辞書には練習方法だけでなく
負荷を減らすことや、休むことも入れておきたいです。
声枯れや痛みがあるときは
発声練習を控えて休みましょう。
症状が続く、繰り返す、
急に声が出なくなる場合は
医療機関へ相談してください。
ボイトレは声を出す練習を重ねながら
自分の声の扱い方を知っていく時間でもあります。
「今日は出ないからもっと頑張らなくちゃ」
そんなふうに焦ったときこそ
「今日の自分にはどんな選択が必要かな?」
と考えてみてほしいのです。
練習内容を変える日も
量を減らす日も、休む日もある。
そんな選択肢を持ちながら
自分の声と付き合っていきましょう。
困ったときに取り出せる、あなた自身の「声の辞書」。
レッスンの中で
少しずつ一緒につくっていけたら嬉しいです。

自分の声に合う練習を、一緒に見つけたい方へ
「日によって声の出しやすさが違い
練習に迷ってしまう」
「声を出すときに
どこに力が入っているのか分からない」
「自分に合う練習を知って
声の引き出しを増やしたい」
そんな方には初回声分析レッスンをご用意しています。
この記事ではその日の声に合わせて練習を見直し
休むことも含めて選択肢を持つ
「自分の声の辞書」という考え方をご紹介しました。
レッスンでは実際の声と普段のお悩み
声を使いたい場面を確認し
あなたに合う練習内容や取り組み方を一緒に探します。
レッスン後は録音・録画と専用のレッスンノートで
取り組んだ内容を振り返れます。
自分の感覚とレッスンでの気づきを結びつけながら、
「自分の声の辞書」を少しずつ増やしていきましょう。
※声枯れや痛みがある場合は、
発声練習を控えてください。
症状が続く・繰り返す場合や
急に声が出なくなった場合は、
レッスンより先に医療機関へご相談ください。
初回声分析レッスン
60分・8,000円|仙台・名取/オンライン

