みなさん、こんにちは。
ボイストレーナー・話し方講師の
新田知代です。
絶対音感がないから自分は音痴なんだ
そう思った時期はありませんか?
実はこの二つ、音痴であることに
関係なかったりします。
そして絶対音感を持っていても
音痴になることはあります。
でも、絶対音感がある人に憧れる・・・
という方もいらっしゃるので
今回は
絶対音感の後天的取得は可能かどうか
についてお話していきます。
ちなみにこのテーマは、
音声でもお話ししています。
文章より“声”で聞いた方がイメージしやすい方は
こちらからどうぞ。
▶︎ 音声で聞くPodcast(リンクはのちほど)
「子どもの頃にやってないから無理」…それって本当に間に合わないの?
結論として
絶対音感は後天的に身につく可能性はありますが、
誰でも同じように獲得できるものではありません。
ここで一度、絶対音感の定義を整理しておきます。
絶対音感とは、
基準となる音を使わずに、
聞こえた音の高さをその場で判断し、
音名として認識したり再現できる能力のことです。
つまり、「ド・レ・ミ」といった
名前で音を捉えている状態です。
さて確かに、絶対音感には
年齢的な制限があると言われています。
認知神経科学や音楽教育研究によると
絶対音感が後天的に身につくのは
だいたい6歳前後だそう。
・3〜6歳:最も獲得しやすいゴールデンタイム
・7〜9歳:ギリギリ間に合うケースあり
・10歳以降:新規獲得はかなり困難
という傾向があって、これは
「音を言語みたいにラベリングする能力」が
幼少期にしか柔軟に作られないからだそうです。
確かにその頃に音楽をたしなんでいた子たちは
絶対音感がある子が多いですよね。
私自身は小学校4年生(10歳)から
ピアノを始めたパターンで
新規獲得はかなり困難な方でしたが、
弱いけれど絶対音感を持っているので
必ずしも持てない、ということはなさそうです。
ですが、この場合
〇すでに素地があったパターン
・幼少期に無意識に音楽に触れていた
・家庭環境(テレビ・歌・音など)で
音と高さの記憶ができていた
→ 本人は「小4から」と思ってても、
実際はもっと前から土台があるケース
〇“完全な絶対音感ではない”パターン
・基準音(ドなど)を覚えていて
相対的に当てている
・楽器の音色に依存している
→ 実用上はとても優秀だけど、
定義上は絶対音感とは少し違う
の2パターンのいずれかの可能性があって、
私の場合、家ではいつもテレビで歌番組が
流れていたり、幼稚園の頃から
日曜教会に通って毎週讃美歌を歌っていたので
既に素地があったのだと思います。
他にも、
歌番組が好きでよく歌っている子、
親が好きで音楽を聞いたり歌っている、
そんな環境から絶対音感は身につきます。
なので実際レッスンをしていても
音に名前のラベリングをしていないだけで
絶対音感を持っている方は多い印象です。
では、大人になってからは
本当に何もできないのでしょうか。
もし後天的に
“音を正しく捉える感覚”を
身につけられたとしたら、
歌はどう変わるのか。
具体的に答えていきます。
完全じゃなくていい「使える音感」は後天的に作れる
結論から言うと、
目指すべきは「絶対音感そのもの」ではなく、
再現性の高い音認識能力です。
なぜなら、歌に必要なのは
“聞いた音をそのまま声で出せる力”
だからです。
ピアノで目印になる音を弾いた時に
その音と同じ音程が声で出せるかどうか。
男性が女性キーの1オクターブ下で歌ったり
女性が男性キーの1オクターブ上で歌う、
ではなく、聞こえている音そのものを声で出す
この認識能力、音感は
後天的に身につけることが可能です。
実際、レッスンでも基準となる音を覚えて
音の流れ・距離を捉えて覚える練習をしただけで、
音程が安定していくケースはよくあります。
大切なのは「完璧な音感を持つこと」ではなく、
「使える音感を育てること」です。
ここに気づくだけで、
上達のスピードは大きく変わります。
今日からできる。耳と脳をつなぐ音感トレーニング3ステップ
音感は「順番通りに積み上げれば」
大人からでもしっかり育てることができるもの。
ポイントは、耳・目・脳を
バラバラに使うのではなく、
つなげていくことです。
そのために効果的なのが、
これからお伝えする3ステップです。
STEP1:基準音を身体に入れる
A4=440Hzのラ(真ん中のラ)など、
1つの音を徹底的に覚えます。
おすすめはA4のラ。
時報の音です。
オーケストラの調音の音です。
色んな場所で聞くので覚えやすいです。
大切なのはこの音の高さを、
「聞けば分かる」ではなく
「何もなくても思い出して声に出せる」
状態にすることです。
実際、音程が不安定な方はこの基準がない事が多く
歌いだしの音が毎回異なっていたり、
歌詞がついていないと音が分からない、
というパターンが多いです。
固定の音から覚えた方が結果早いので
「ラ」のがおすすめとお伝えしましたが
曲の一音目の高さで練習してもOKです。
他の音を探す時の手助けになる
1音を自分の中に覚えてください。
STEP2:鍵盤と結びつける
次にやりたいことは、
音の高さと音名、そして可能であれば
鍵盤の位置をリンクさせて覚えること。
音の高さと音の名称と位置を
ラベリングして覚える作業です。
ピアノやアプリで音を確認しながら、
「この位置がラ」「ここがド」と繰り返すことで、
音を“視覚”で捉えられるようになります。
カラオケの音程バーで音の高さを
認識される方もいらっしゃいますが
音の幅が広い上に流れで捉えるので
しっかり音感を身につけたい方は
鍵盤とじっくり向き合う方がおすすめです。
レッスンでもメロディを鍵盤でたたきながら
一緒に音程練習をしていくと
視覚とピアノの音で
音の高さを認識できるようになるので
音感が伸びていく人が多い印象です。
STEP3:音の距離感を覚える
単音を覚えられるようになったら
次はドからミ、ラからドなど、
音と音の“幅”を覚えていきます。
実際にレッスンでやる入口としては
ド→レ
ド→ミ
ド→ファ
のように基音を決めてそこから
1度、2度と長調(メジャースケール)に合わせて
飛び石で音を正しくとらえる練習をしています。
これができるようになると、
単音ではなくメロディとして
音を捉えられるようになります。
例えば「ドレミ」と順番に取るのではなく、
「ドからラに上がる」という感覚を覚える。
これは音程が良くなるだけでなく、
発声の時も「跳躍だから喉の感覚に気を付ける」
というように応用がきくようになります。
もし可能であれば自分の出る音域すべてで
音取りゲームのようにやっていただくと
耳も脳も覚えていくのでおすすめです。
音感がある音痴さんほどこのやり方がきく
音感がある方こそ、
自分の知っている音と
自分の歌声の音程のズレが気になって
「音痴なんだ」と思われがちです。
なぜ音痴と気付けるのか
それは音感があって
自分の歌声を聴くことができているから
実際音程を正しく捉えることが苦手な方は
・基準の音を覚えていない
・自分の声を聞いて歌っていない
└外部の音を集中して聞きすぎている
パターンが多く、
音感自体は備えている方が多いです。
実際に「音痴だから無理」と
言っていた方でも、
この3ステップを順番にやることで、
音程が安定して歌えるようになったケースは
多くあります。
大切なのはセンスではなくて
正しい順序で練習して覚えていくことなんです。
「できない人」と「できるようになる人」の分かれ道
やる事は単純明快。
それでも「音感が身につく人」と
「音感が身につかない人」の違いは
なんでしょうか。
それは才能ではなくやり方。
特に大きいのは、
正しい順序で取り組めているか、
そして自分のズレに気づけているかどうかです。
身につく人は正しい順番で取り組み
自分のチェックも同時に行う
身につくのが遅い人は
正しい順番で行っても
自分のチェックが思うようにいっていない
そんなパターンも見かけます。
音感トレーニングはシンプルに見えて、
独学だとズレやすいポイントが多くあります。
だからこそ音楽の勉強カリキュラムの中に
「ソルフェージュ」と呼ばれる
・聴き取り(耳コピ)
・初見視唱(初めてみた楽譜で歌う)
・弾き歌い
のレッスンがあるくらい奥が深くて
一個一個は単純なんですが
実は知恵の輪くらい難しいです笑
音感が身につかないな、と感じる人は
もしかすると基準音が曖昧なまま
曲を歌ってしまっていたり、
自分の耳で音のズレを聞き逃していて
「できているつもり」で進んでしまう。
そんなパターンもあります。
この場合、自分で修正することは厳しいため、
レッスンを受けて身につけることがおすすめです。
感覚がつかめないなら、プロに任せた方が早い
「絶対音感」そのものは年齢的な期限があるけど
使える音感は何歳からでも身につけられる、
そしてその身につけ方を簡単にお伝えしました。
生徒さんを見ていると
実際にやる時間が取れなかったり、
感覚がつかめない方も多いのが音感。
合っているかどうか分かりません、という
相談もよくいただきます。
そんな時はプロに任せた方が早いです。
音感は「合っているかどうか」の正解が
自分では分かりにくい領域。
体験でもいいのでレッスンで一度、
感覚のズレを修正すると、
「これか!」と一気に腑に落ちる方が多いので
音感はコツを掴めるかが勝負なんです。
早く音感も身につけたい方ほど
レッスンへ行って頂くのがおすすめです。
ここまで読んで
「自分も当てはまるかも」と感じた方は、
ここで動けるかが今後の音感も身につけられるかの
分かれ道です。
自己流で悩み続ける前に、
一度プロに音感チェックしてもらってください。
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