「歌だけ」でプロを目指すのは危険!歌手の収入事情と他に増やすべき仕事

歌や音楽の知識

プロの歌手とは、「歌の仕事だけでお金を稼いでいる」人のこと。
あなたは「歌手の仕事」が具体的にどんなものでどのくらいのお金を稼いでいるのかご存じだろうか。

「音楽で食べていきたいのに、稼げるお金の事なんか考えたくないよ!夢なんだから!」と言う人もいるが、夢を叶えるからこそ現実を見よう。

音楽で稼いだ収入が月に1万円だったら、あなたは生活できるのか?
無理だろう?

他にアルバイトや派遣の仕事をして生活に必要なお金を稼ぎながら、仕事終わりや週末に曲作りやライブハウスに立ってチマチマ小銭稼いで「いつか大きな事務所にスカウトされてメジャーデビュー!音楽で稼げる!」なんて夢のまた夢だ。

「歌だけ」「音楽だけ」「演奏だけ」で稼げるほど音楽業界は甘くない。
今回は「歌だけ」でプロを目指そうとしている人へ警告と「歌だけ」だった場合の入ってくる収入事情についてお話ししよう。

【前提】プロダクション所属?フリーランス?

「音楽で稼ぐ」と言ってもまず2パターンに分かれる。

プロダクション所属

「~の所属の〇〇です」とプロダクション名を名乗れるアーティスト。
プロダクションが有名であれば有名であるほど箔が付く。
これは言ってしまえば「会社員」のように会社の名前を使って仕事が取れるタイプだ。
また、自分に何かあった時に会社が代行してくれたりスケジュールを組んでくれる、心強いサポートがついている。
逆に言えば色々サポートしてくれる分、ギャランティは会社から支給となるので中引きがすごい。

フリーランス

「~をやっている〇〇です」と有名な自分のやっている事を名乗れるアーティスト。
プロダクションの名前こそないが、自分の実力があればそれで仕事が取れるタイプだ。
逆に言えば自分の実力や知名度がなければ大きな仕事は取りにくい。
フリーランスと同じ扱いなので、ギャランティは直接受け取るので大きく稼ぐことができる。

どちらを目指すべき?

目的による、と言っておこう。
あなたは音楽やアーティストとしてお金を稼いでいく、その活動だけしていくのであればどちらが性格や目的に合っているのか。

自分で営業したくない!企画も無理!サポート欲しい!知名度欲しい!大きい仕事したい!であれば事プロダクション。
自力で下克上するぜ、どこかに所属して人に指図されるの絶対無理!であればフリーランス

(ちなみにともよせんせーは人から指示されると反発するタイプなのでプロダクションには不向き)

1.CD売上の収入

一番最初に思いつく歌手の収入と言えば「CDの印税」ではないだろうか。

印税収入は二つある。
著作権印税とアーティスト印税だ。

ざっくり説明すると
著作権印税→音楽会社、作詞家、作曲家に入る印税
アーティスト印税→アーティストへ直接入る印税

となる。
それぞれ説明していこう。

<著作権印税>

著作権とはCDが売れたり、テレビやラジオ等でその楽曲が使用された時に支払われる著作権使用料のこと。
CDを製作するとお金を払ってJASRACに登録する事になるのだが、一度登録した楽曲が使用されるたびに作詞家や作曲家の収入になる。
作詞家・作曲家の大事な収入源の一つ。

よく耳にする「印税で儲けてる」がこの著作権印税だ。
取り分としては下記の通りとなる。

<著作権印税の取り分>
JASRAC 売上の6%
音楽会社 94%(印税-JASRAC取り分)のうち50%
作詞家 94%の25%
作曲家 94%の25%

この著作権印税、歌手には基本的に入ってこない。
受け取りたければ作詞するか作曲するかで楽曲製作をしよう。
(尚、どちらも出来ると収入的にかなり稼げる。シンガーソングライターは最強。つまりヒット曲を連発している優里の著作権印税はいくらになるか。。。計算してみて欲しい。。。)

著作権印税は不労所得と同じで、一度登録すれば利用されるだけで収入が入るもの。
また、自分の曲だけでなく、他のアーティストへ楽曲提供などもすることが出来れば更に収入の幅が広がるだろう。

<アーティスト印税>

アーティスト印税とはレコード会社との契約でCDが売れた際に売上枚数に応じてアーティストがもらえる印税の事である。
取り分は1~3%が相場となる。

<例>
単価1,000円のCDを1万枚売り上げた場合のアーティスト印税
(印税率を2%とした場合)

■計算
単価1,000円×印税率2%×売上枚数1万枚=20万円
(1万枚の売り上げ自体は1000万円)

プロダクションとの契約内容によってマネジメント料の支払いなども発生する為、手元に残る売り上げはもう少し小さくなる。
曲を出して一回でドン!と稼ぐのがこのアーティスト印税だ。

歌手だけだと、曲を出した時にこれしかもらえない。
CD(音源)が売れれば高い収入になるが、売れなかったら収入はない。
(フリーランスであればプロダクションを通さないが、音源は作ろうとするとめちゃくちゃお金かかるので、一気に作れない。そしてやはり沢山売れないと実入りは少ない)

<その他>

テレビやカラオケで使われた時の印税の話もあるが、「曲を出して稼ぐ」とはこういう仕組みになっている。

CDなんて毎月出せるものでもないし、曲もヒットしなければ売り上げには直結しない。
「曲を出して稼いでいる」のは本当にごく一部のアーティストだけなのだ。

2.コンサート収益

これは自身がライブ活動をしているのであれば一番わかりやすい収益ではないだろうか。
ライブ動員数=収益。ノルマチケット以上売れば収入!
そんな考えは甘い。

実は、チケットの売り上げだけだとほぼ赤字である。

集客が多ければ多いほど収益が出る。
コンサートチケットも自身のネームバリューに合わせて高いし、広い会場でやってるのにどうして赤字なの???

簡単だ。
ネームバリューに合わせて使われる規模の会場費、設備費、人件費、企画やチケット販売に関するイベント会社、その他もろもろ、規模が大きくなればなるほど、動くお金も大きくなる。
なんでもそうだが、大きなイベントほど「出ていくお金の方がデカイ」
チケットだけで収益を出そうとすると高額になるため、集客が見込めなくなる。

ではどこで、何で収益を出しているのか。

それは会場で売られているグッズやCDなどの物販だ。
物販が売れないとコンサートをしてもアーティストの収入にはならない。
物販だ、物販を買ってくれ。

※昨今はコロナの影響もあり、ライブに対して投げ銭制度を使ってみたり、インターネット配信でのライブを行う事により収容人数が会場のキャパシティを超える事も可能になってかなり収益を上げやすくなった。

アーティストのマネタイズにも日々変化が生じているから、我々も乗り遅れないようにしないといけない。

3.出演収益

「テレビにゲストで出演する」「文化祭などのイベントに出演する」「お祭りに出演する」などイベント出演依頼はアーティストにとってとても大事な収入源だ。
またはラジオやテレビのコメンテーターをするなどでもよい。

アーティストの知名度やプロダクションの料金設定によるが、安ければ10万、最低でも30万~あたりから青天井だ。

単発イベント出演もあれば、ラジオやテレビなどの帯番組を持つと安定した収入にも繋がる。
ただし、プロダクションを通して入ってきたお仕事は全額ではなく入ってくるわけではない
実際にアーティストをマネジメントしてくれるプロダクションから出演ギャランティとしてアーティストに支払われることになる。

「出演するもの」や「外部からの依頼」がなければそもそも稼ぐ事ができない、という裏返しもあるので注意だ。

最後に

1~3を読んで頂いて分かったと思うが、想像している以上に「歌手」一本で音楽業界で稼いでいこうとすると何かあった時に収入が0になる。

例えばコンサートや出演依頼などは自分が炎上した時に一気に干される。

不祥事やスキャンダルを起こした芸能人がCM・ドラマを降板するニュースは日常茶飯事だし、何も悪い事をしていないのに嫉妬されて謂れのない風評被害で仕事を干される事だって珍しくない。

また、2020年のコロナ蔓延した時に演奏活動一本だけで収入を得ていたミュージシャンは「ライブコンサートは沢山の人が集まって密だから行ってはいけない」と国から通達があり、風評被害もあって、仕事が全てなくなり月の収入が0になった人も多い。
一か月では終わらない。半年以上仕事がなかったケースもある。

「歌手になりたい」「ミュージシャンになりたい」気持ちは大事だが、「生きていくためのお金を稼ぐ手段」は演奏活動以外にしっかり用意しておいた方がよい。

例えばYou TubeTik Tok
チャンネルを収益化する事が出来ればストック型ビジネスになるので不労所得と同じだ。
仕事がなくてもお金を稼ぐ事ができる。

芸能人がコロナショックで仕事がだいぶ減った時に一気に参入してきたのは収入がないから「稼ぐ手段として」始めたのだ。
(勿論異なる理由の人もいるが・・・)

例えばライブ配信アプリ
17LIVEやPococha、LINE LIVE、ツイキャス、Mirrativ・・・
生配信をして投げ銭をしてもらって収入を得る
元々ライバーだった人も勿論いるが、コロナ以降「現場」の仕事が減った芸能人やアーティストがどんどん参入してきている。

自身のアパレルブランドや飲食店を持つなど、自分のビジネスを持つ歌手だって大勢いる。
彼らはアーティストとしてだけではなく、実業家として「歌が歌えなくなっても得られる収入」を作っているのだ。

好きな事で生きていきたいからこそ、「歌う」だけの仕事をするのではなく
収入の窓口は大きく、何が起きても自分の「稼ぐ手段」をしっかり持っておこう。

【歌がうまくなる、がゴールじゃない】
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NEWNESS MUSIC代表 新田知代

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