みなさん、こんにちは。
ボイストレーナー・話し方講師の
新田知代です。
今日はライトな話題から一つ。
バラードは得意だけど
アップテンポが苦手な人という方
いらっしゃいませんか?
何を隠そう、過去と言うか
今の私もその中の一人。
アップテンポ系は実は今でも少し苦手です。
最後までお読みいただくと
アップテンポが苦手なことも
悪くないなーと思うヒントになるので
最後までお読みいただければ幸いです。
アップテンポが苦手=才能不足ではない理由
さて
「バラードは褒められるのに
アップテンポになると一気にズレる」
「速い曲になると、急に歌えなくなる」
こういう相談、実はとても多いです。
そして過去の私もそうでした。
過去の私も含めて、そんな方たちは
「自分はリズム感がない」
「テンポが苦手なんだ」
と思い込むこともしばしば。
でもね、結論から言うと
それはセンスの問題ではないんですよ。
バラードが得意な人ほど、アップテンポでズレやすい理由
センスではないなら何が問題なの?
という前に一つ確認して欲しいことがあります。
それはバラードが得意な人ほど、
- 声を丁寧に作れる
- フレーズをきれいにつなげられる
- 音程や響きを大事にできる
という強みを持っているということ。
あなた自身もその癖ありませんか?
一つ一つのフレーズを大切に歌う
想いを丁寧に込めて歌う
これは本来、とても良いことですし
歌詞の世界観を表現する際に必要です。
ただ、その“丁寧さ”が
アップテンポの曲では
足かせになることもあります。
テンポの速い曲でズレる人をよく見ると
- 声を作るのに時間がかかっている
- 発音を丁寧にしすぎて言葉が遅れる
- 音程を探る時間がほんの一瞬長い
こうした 「処理の遅れ」 が生まれ、
コンマの世界でテンポにズレが出てきます。
それがテンポが悪く聞こえる一つの原因に。
テンポが速いからズレているのではなく、
歌い方の中で時間を使いすぎている場所がある。
それがアップテンポが苦手に感じる正体です。
声楽出身の人にアップテンポが難しい理由
私自身、声楽出身です。
声楽とはオペラのように
マイクなしでオーケストラの
生楽器、生演奏に飲まれることなく
広いホールで歌うジャンルです。
この歌唱法では
声の美しさ・響き・発声の完成度を優先します。
そのため、
- 声を整えてから出す
- 音程を確実に捉えてから歌う
という癖が自然と身につきます。
とても丁寧に歌を歌います。
その結果、音の一粒一粒が立って
音の処理もすべて美しいがゆえに
バラードではこれが強みになる。
でもアップテンポでは
「丁寧にかける時間」が足りなくなる。
というか、ほぼない。
結果として
「遅れる」「もたつく」「間に合わない」
という感覚が生まれやすくなるので
速くて苦手、という感覚になりやすいのです。
発声法とテンポの取り方が違うんですよね。
バラードが得意な人ほど必要なのは、「頑張り」ではなく切り替え
苦手意識が強く真面目な人だと
「もっと練習する」
「もっとテンポを意識する」
に陥りやすいけれど
実は課題はそこではありません。
もっと根本的な部分。
それは
ジャンルに合わせて
歌い方を切り替えることです。
バラードが得意な人は
・音を丁寧に扱える
・声をコントロールできる
という良い土台をすでに持っています。
アップテンポでは
・すべてをきれいに仕上げようとしない
・一音一音を軽く処理する
・声を作り込みすぎない
ただ、その“丁寧さ”を
アップテンポでも同じように使おうとすると
処理が間に合わなくなってしまう。
こうした切り替えをするだけで、
驚くほど歌いやすくなるケースは
少なくありません。
勿論、一音一音を軽く処理するにあたって
それを実現可能な発声を身に着けている、
という前提は必要になります。
それでもバラードが得意というのは
アップテンポが向いていない、
という意味ではありません。
むしろ、
「歌い方を調整できる力がある」があって
使い方を変えるだけで
その強みはアップテンポでも
活かすことができる能力なのです。
まずは「自分はどこで時間を使っているか」を知る
アップテンポが苦手な時は
「速い曲だから無理」と決めつけてしまう前に
- 発音か
- 発声か
- 音程処理か
どこで引っかかっているのかを
一度整理してみることをおすすめします。
それが分かるだけで
テンポの速さに振り回される感覚は
これまでの私のようにかなり減ってきます。
バラードが得意な人ほど
アップテンポが歌えるようになったときの
変化は大きいです。
そして歌える喜びも大きいです。
今の自分の歌い方を知ること。
そこから少しずつ知って整えていきましょう。



