話す仕事をする人が知っておきたい「スピーカー・司会・ファシリテーター」の違い

声・話し方

みなさん、こんにちは。
ボイストレーナー・話し方講師の
新田知代です。

話し方のレッスンをしていると
「話す事が仕事」の方も多くいらっしゃいます。

スピーカーとして登壇するだけでなく
司会やファシリテーターの役割を
担っているけれどうまくいかないので
相談したいという方もいらっしゃいます。

私自身、実務的に
・スピーカー(講座や講演等)
・司会(式典やお祭り、イベント等)
・ファシリテーター(会議や意見交換会等)

すべてを行っているので
その違いや各役職についての大変さは
身に染みて分かっているのですが
どれも難しさがあります。

そこをクライアントと一緒に
状況を整理して自分に合ったやり方へ
最適化していくのですが・・・



“同じ話し方なのに役割が違うと
話し方も変わるの?”



と気が付いた方、その通り!
実は声の出し方や話し方は
役割によって変わります。

今回はその違いや意外な共通点について
お伝えしていきますね。


ちなみにこのテーマは、音声でもお話ししています。
文章より“声”で聞いた方がイメージしやすい方は、こちらからどうぞ。
▶︎ 音声で聞くPodcast(リンクはのちほど)
▶︎ 音声で聞くstand.FM(リンクはのちほど)

スピーカー(Speaker)

役割:自分の知識・経験・意見を「伝える人」
   情報提供・価値提供が主目的
   主語:私が話す
   特徴:話の構成・内容は
      基本的にスピーカーが設計
      聴衆は「聞く側」
      一方向コミュニケーションが中心

<よくある場面>
講演会、セミナー、勉強会、TED的な登壇等

<評価されるポイント>
・話の内容の質
・話の分かりやすさ
・専門性・実績
・声・話し方・説得力


「発表する人」のイメージです。
人前で自分の言葉で自分の考えや想いを
伝える「話す」「伝える」の基本ですね。

司会(MC)

役割:場を進行する人
   タイムキープと全体の流れ管理
主語:今、何が行われているか
特徴:自分が目立つ必要はない
   台本・進行表に沿って正確に進める
   トラブル対応力が重要

<よくある場面>
式典、イベント、トークショー
パネルディスカッション

<評価されるポイント>
・安定感
・正確さ
・聞き取りやすい声
・場の空気を作る、乱さないこと


「司会進行」のイメージです。
ステージイベントや式典などでは
この人がいないとイベントがまとまりません。

ファシリテーター(Facilitator)

役割:参加者の思考・対話を引き出す人
   「場が機能する状態」をつくる
主語:参加者がどう考え、どう話すか
特徴:自分の意見は基本的に出さない
   質問・整理・可視化が仕事
   双方向・多方向コミュニケーション

<よくある場面>
ワークショップ、会議、研修
意見交換会

<評価されるポイント>
・質問力
・傾聴力
・論点整理力
・心理的安全性の設計


「会議で人に話を振る」イメージです。
司会進行と異なるのは登壇者や参加者に
話を振って話を活性化させる部分です。

3つの役割比較

こうして比べて見ていると
求められる能力が三者三様ですね。

そしてお気づきの通り
求められる能力が異なれば
声の出し方、話し方、言葉の選び方、
まとめ方も変わります。

その印象もあるせいでしょうか。

クライアントからも
「私はファシリテーターだから」
「私は司会だから」
とスピーカーの役割を避ける人も多いです。



が、それはもったいない。
というか

スピーカーの話し方は
司会・ファシリテーターをするなら
絶対に避けて通れません。

スピーチが基本の話し方になる理由

さて、優良なスピーカーの脳内では

・ゴール(伝えたいこと)から逆算して構成を組む
・聴き手の理解速度を読む
・情報量を調整する
・「今、何を受け取ってほしいか」を常に意識

が同時に行われています。


台本を書いて練習をして話す、
という学校教育で習うスピーチの方法は
あくまで「基礎」であって
本来は聴衆に合わせて
話し方や伝え方は変化します。


勿論、その基礎がなければ
話すことができないので
とても大切なのですが実務的ではない。


だからこそ話し方のレッスンでは実務レベルで

・ゴールから逆算して構成を組む方法
・情報量の調整の仕方
・聞き手の表情を見て話し方を変える方法
・伝え方

にこだわってお伝えしているのですが
実は司会・ファシリテーターが
裏でやっている処理と同型なんです。

三者に共通するスキル

では三者に共通する話し方のスキルは何か。
それぞれ見ていきましょう。

① 構造を見抜く力(構成力)

話の「主題・補足・脱線」を瞬時に分けられる
今どこにいるか、何を話しているのかを把握できる

これはスピーカーの構成力そのもの。

② 時間感覚(話の調節)

話のどこを削れるか
どこを膨らませるか

自分の話を調整できる人ほど、
他人の話の時間調整も上手い。

③ 聴き手視点(第三者視点で状況を見れる)

今この情報
重い?軽い?
もう一段噛み砕くべき?

良いスピーカーは常に第三者視点を持っている。
これはファシリテーションの必須条件。


これらは
「優良なスピーカー」ほど持っているスキル

良いスピーカーとは、
「上手に話す人」ではなく
「相手に何が残るかを設計できる人」なんです。

落とし穴に注意

プロ目線の話になりますが

スピーカーが強すぎる人ほど
ファシリテーターで失敗しやすいです。

理由はシンプルで

・答えを言いたくなる
・話を回収したくなる
・美しくまとめたくなる

でもファシリテーターの正解は
「参加者がたどり着くこと」

だからたまにファシリテーターで
自分の意見を話してしまって
結局スピーカーになってしまう人もいます。

ファシリテーターをする時は
“手放す力”が必要になるんですよね。
役割を認識する事はとても大切なんです。

私の独り言(笑)

三者三様の話し方がある中でも
共通するスキルがあるとお伝えしてきました。

個人的な体感ですが

①ファシリテーター
②司会
③スピーカー

の順番で脳疲労度が変わります笑
ファシリテーターをやっているのが
正直一番楽しいのですが一番頭を使います。


「答えを出さない」「場を読む」「先回りする」


処理が同時に脳内で走るから
CPU負荷がすごくて笑
でも一番やっていてやりがいもあります。



スピーカー、司会、ファシリテーター。
どれが正解、どれが上という話ではありません。

大切なのは
「今、自分はどの役割を担っているのか」を
自覚て声と話し方を選べているか。

もし
「うまくいかない理由が分からない」
「頑張っているのに空回りする」
そんな感覚があるとしたら

それは能力不足ではなく
役割と話し方がズレているだけかも知れないです。

話し方そのものより先に
役割の整理から一緒に考えてみるのも一つです。


今日の内容が
明日どこかで話すときの
小さなヒントになっていたら嬉しいです。

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