こんにちは。
ボイストレーナー・話し方講師の
新田知代です。
歌を歌っている時に
「テンポが合わない」
「走ってしまう、もしくは遅れる」
「曲によってテンポを追えなくなる」
こうした悩みを持っている人は
少なくありません。
そして多くの人が、
「自分はリズム感がない」
「テンポが苦手なんだ」
と考えてしまいがちです。
でも実際には、
テンポがズレる理由は
人によって違うことをご存知でしたか?
実は、原因は一つではありません。
ひとまとめにリズム感のせいにする前に
せいにする前に
まずは「自分はどのタイプか」を
整理してみると
練習の方向はかなり見えやすくなります。
リズムなのか、発声なのか
それとも滑舌の影響なのか
ぜひご自身の癖と向き合って
タイプを見つけてみてくださいね。
テンポがズレる理由は、大きく4タイプある
さて、先にも伝えたように
テンポがズレる=感覚が悪い、ではありません。
多くの場合、
- どこでタイムロスをしているか
- 何の癖でテンポが失われるか
その傾向に違いがあります。
ここから先は
よく見られる4タイプを紹介していきます。
あなたはどれ?テンポがズレる4タイプ
【タイプ1】言葉処理タイプ
特徴は
- 発音が丁寧
- 母音が長くなりやすい
- 歌詞をきれいにつなげようとする
一音一音を大切に歌える人に多いタイプで
分かりやすい例としては
バラードが得意な人や、
声楽・合唱出身者に多いです。
一音一音ずつ丁寧に歌う分
アップテンポでは言葉の処理が追いつかず、
結果としてテンポから遅れて
聞こえることがあります。
そもそもクラシック出身の方だと
リズムの取り方が異なるがゆえに
この癖が出ることもあります。
【タイプ2】テンポ認識タイプ
特徴は
- 速い・遅いはなんとなく分かる
- でも「どこがズレているか」は分からない
テンポを「全体の速さ」で捉えていて
拍の中のどの位置に言葉が入るかが
曖昧なタイプです。
よくあるのは曲を聞く時に
歌手の声しか聴いておらず、
ドラムやベースなどのテンポキープ楽器が
聴こえていない人に多いように感じます。
この場合、自分がズレていることに気づきにくく
結果として修正もしづらくなります。
対処法としてはメトロノームに合わせて
テンポキープをする基礎から始めるのが
おすすめです。
【タイプ3】反応速度タイプ
特徴は
- 音程を探る時間が長い
- 声の切り替えに一瞬迷いが出る
アップテンポで特に遅れやすいタイプです。
テンポが分からないというより、
曲の中で決まっている
音の高さの認識に時間がかかり、
しゃくり癖がついている人に多いです。
音程や声の出し方を考えている間に、
テンポが先に進んでしまう感覚が
起きやすくなります。
こういう方は音程(音の幅・距離)を
正確に把握する練習から
始めるのがおすすめです。
【タイプ4】発声設計タイプ
特徴は
- 全部地声で行こうとする
- 声を作り込んでから出す癖がある
発声を大切にしてきた人に多いタイプです。
「この声で歌いたい」というこだわりから
瞬発力より力そのものを使って歌ってしまい
テンポから遅れることが多いです。
特に高音を声量で張り上げると遅れがちに。
このような方は、発声の見直しを行うと
テンポに乗れるようになっていきます。
大事なのは「当てはまった=ダメ」ではない
4つのタイプで説明しましたが、
ご自身が当てはまる部分はありましたか?
もしかすると1つだけではなく、
複数当てはまったかも知れませんね。
そして複数当てはまった方は
実はその感覚が正しいです。
なぜなら、「何か一つ」が原因ではなく
テンポに乗り遅れるパターンの場合、
小さな癖が複数複雑絡み合って
結果乗り遅れに繋がっていることが多いから。
ここで誤解しないで欲しい事は
「タイプが分かった=ダメ」
という話ではないこと。
過去の私自身で言えば
言葉処理タイプ×発声設計タイプでした。
今ではプロにも教えるようになっているので
だいぶ克服してきていますが、
得意不得意は存在しています。
そしてそれは私が音楽を培ってきた
バックボーンや今触れている
音楽の影響があるから。
そしてそれは決して悪いことではなく
あなた自身のオリジナリティに繋がるのです。
そして
- 自分のズレ方が分かる
- 苦手の正体が見える
- 練習の方向が定まる
という成長のスタート地点に
立てた状態でもある。
原因が分からないまま頑張るより、
ずっと健全です。
それぞれのタイプに合った考え方
そしてそれぞれのタイプには
合った考え方や練習方法があります。
- 言葉処理タイプ
→ 一音一音を軽く扱う意識
丁寧だけど軽く確実に声を扱う - テンポ認識タイプ
→ 拍の中の位置を見る
拍を認識して収める - 反応速度タイプ
→ 瞬発的に声を出す感覚
音の認識をスピーディに
声のアウトプットも速く - 発声設計タイプ
→ 作り込みすぎない
「本当にその声が正解か」
「最適解の声はないか」
声と表現の見直し
このように見直していくことで
より正確にテンポを捉えられるように
なっていくのです。
まとめ:テンポは才能じゃなく「構造」
テンポがズレるのは
リズム感やセンスの問題だけではなく
色々な要因があることは
お分かりいただけましたでしょうか。
多くの場合、
どこで何の時間を使っているか
その構造の問題だったりするのです。
自分の歌い方の癖やタイプを知ること。
それからアップテンポへの曲への
向き合い方は変わります。
そしてテンポに囚われず自由に
歌が歌えるようになっていくのです。
それぞれのタイプ別に、
実際の整え方を詳しくまとめた記事もあります。
参考までにご覧ください。


